Drawing

Lines The Line

a Line

クラシックミュージシャンシリーズは、「人物を流麗なラインとシックな色彩」で、「楽器はリアリティと省略」で表現されています。クロッキーを描き続けて生まれたラインと、プロダクトデザイナーとしての緻密な表現が、融合されたドローイングです。

ファッションドローイングの世界は、自身にとってドローイングの原点でもあります。これらのドローイングは、まったく飽きることなく夢中でやり続けているクロッキーの要素をベースに、改めて作品としての完成度を探究しました。作品に登場するコラージュは 1 から作られたものです。雑誌の切り抜きのように見えますが、英文の内容は単なるアルファベットの羅列ではなく、それらには自身の思いが込められています。

「美しさに気づくnotice the beauty」、「日常の中の美しさBeauty in everyday life」、「あなただけのものの見方 Your own way of looking at things」、「美しいものを発見すると幸せになる Finding beautiful things makes me happy」・・・これらの言葉の断片がコラージュとして表されています。

大きなドローイング作品はクロッキーを基に、滑らかな表面の支持体にグリースペンシルで一気にライン描き切る制作スタイルです。自作の極太ダーマトグラフを駆使し、クロッキーと全く同じ描き方を実践しています。スピード感をそのままに余分なものを廃したミニマル表現スタイルは、ドローイングというよりも書道に近いと考えています。クロッキー作品はファッションイラストレーションを基礎とし、洗練されたラインを探求したものです。
「目に入ってきた情報が手に直結している感覚」を大切にすることでモデルの美しさを掴みとろうとしています。 考えたり創作することをかいさず描くその数分は、カメラで情景を切り取るための1/125秒にも似た自身にとってのリアリティです。